君のために僕ができること。

そして、その子は何かを呟やく。
「楓也……。」
小声で聞き取りにくくよくわからなが、

(今、俺の名前呼ばなかったか?……いや、知らない女子だし、聞き間違えか。)

そして、止まった足を動かし、振り返る事なく家に帰った。

――――――――

家に帰っても親が帰ってくるのは夜中なので、ほぼ毎日1人で家事をしている。

洗濯、お風呂、夕食などの、家事を済ませ、ベットに寝転びながら俯く。

「別に、喧嘩したくてしてるんじゃないし。」
つい本音が出てしまった。
しかし、それよりももっと気になることがある。

(澄海玲って、どんな人なんだろ。)

そればかりを考えてしまう。

(どこかで、聞いたことあるような……。うーん。
やっぱり思い出せない。
でも、なんか大事なことだったような。)

まぁ、いつか思い出すだろうと寝ることにした。