君のために僕ができること。

「なにそれ(笑)秘女とか、かけすぎじゃん。」

「だよね。それにさ白星まで、このクラスにいるんだよ。怖すぎでしょ。」

「確かにね。あんま、関わらないようにしとこ。まぁ、顔はかっこいいのにね〜。」

「だよね。イケメンなのに。あ!それよりさ、聞いてよ!この前のMdo-(エムデゥー)見た!?」

「あたりまえでしょ!だってsyo-u(しょう)の新曲披露だったもん!かっこよかったよね!」

(丸ぎ声だし。桔梗 澄海玲……か。)

その日は、学校がすぐに終わり皆そそくさと帰っていく。

楓也も帰ろうと門を出る。

道の左右には、桜の木が何本も並んでいる中、歩いていると1本の桜の木のしたに誰かがいるのが見えた。

女子生徒だ。

(同じ制服。)

桜の花びらとともに、黒く長い髪がゆらゆらとなびいている。

その姿に思わず立ち止まり、
「……綺麗だな。」
無意識に口に出てしまった。