12時を過ぎた頃――

楓也はトイレに行きたくなり目を覚ます。
足下を見ると、龍樹は爆睡して半目になっている。

(恐怖だな。)

そんなことを思いながら、帝翔のほうを見るといない事に気づく。

(どこ行ったんだろ。トイレかな。)

しかし、トイレにも行き道にも帝翔の姿はなかった。

トイレを出て、通りの窓の外から微かだが、声が聞こえる。

(誰かいるのか?……歌声?)

少し気になり、その声のする方へ向かう。

楓也はその声を聞いたことがあった。

(この声、……syo-u?)