君のために僕ができること。

急いで廊下を走った。

運良く誰にも見つかることなく外に出ることができ、病院から少し歩いたところに海があるので、そこまで楓也は女の子の手を離すことなく走り続ける。

2人は息を切らしながらその場に倒れ込んだ。

しばらくすると、息が整い体勢を起こした。

「す、すごい……。これが、海?」
女の子は目を見開いて海を見つめる。

「そうだよ。これが海、綺麗でしょ?」

「うん。テレビとかで、見たことはあったけど……すごく大きくて、青いね。」

「それとね。星が見たいって言ってたでしょ?上を見てみて!」
楓也は空に向かって指さしをした。

「うわぁぁああ!!!キラキラだ!これ全部星なの!?」
うきうきしながら星を眺め続ける。