君のために僕ができること。

こうして、秘密の作戦が行われた。

病室で誰もいない時に話を進める。

「私ね、星を見に行きたいの!」
目を輝かせて楓也に言う。

「……あ、うん!じゃあ、夜に行こ!」
言葉が出なかったのは楓也本人はまだ気づいていなかった。
ドキドキと鼓動が大きくなる。
でも、幼すぎて気づけない。
気づくのはもう少しあとの話。

――――――――――

夜になり、秘密の作戦が決行された。

「よし、行くよ?」
そう言ってドアに隠れながら、廊下を見渡す。

「うん。」
女の子も楓也の手を強く握る。

もう一度よく見渡す。
「今だ!」