「あ、あの〜。」

やはり聞こえていない。
龍樹は緊張しながら恐る恐る澄海玲の肩をとんとん、とした。

すると、澄海玲は驚くこともなくヘッドホンを取りながら振り向く。

「何?」
短い返事。

「桔梗もB班って聞いて。今から役割とか決めたいから一緒に来てくれない?」

「わかった。」
またもや、短い返事。

そして、澄海玲を連れて皆の元へと向かう。

「よーし!皆集まったから始めよう!」
澄海玲がいるからなのか、楽しみなのかで、テンション高く始め出す。

「えっと、まず班長なんだけど、やりたい人いる?」

シーン―――――

「やっぱりか〜。じゃあ俺がやるわ〜。」
ほとんど誰もしゃべらない。

「なんか俺だけ喋って寂しいから摂賀なんかしてよ〜。」
何故、摂賀に言ったのかはわからないがすがるように話す。

「……、班長お前だろ。」

「御もっともです。」
正論すぎて、言い返す言葉も出てこない。