澄海玲の心臓は動いているだけでもやっとだった。

楓也は学校から病院に直行する。

もう何日も目を覚ましていない。

「早く……早く目を覚ませよ。」

「まだ、まだやり残した事がたくさんある。だから、頼むから目を覚ましてくれよ。」

楓也が澄海玲の手を強く握りしめる。

「やっぱり、澄海玲がいなくなるなんて、考えられないんだ。
分かってた。分かってたのに。」

澄海玲はだいぶ、やせ細っていた。

すると、握っていた手を微かだか握り返してくれる。

「澄海玲!?」