君のために僕ができること。

澄海玲は頭が追い付かず、楓也の隣に行った。

「澄海玲ちゃん、私達帰るね。
また、明日来るからね。」

蒼麗が言い、皆病室を出て行く。

「楓也……。ごめん、ごめんね。
私のせいで。」

澄海玲は声を押し殺しながら泣いた。

皆は澄海玲がこうなってしまうのを、わかっていたから早く帰ったのだ。

「楓也……目を覚まして。」

何度声をかけても、何度願っても目を覚まさない。

それから1週間程経った。

「楓也……まだ起きないの?」

呼びかけていると、楓也のまぶたが微かに動く。