「ち、遅刻〜〜っ!ハァハァッ…‼︎‼︎」

高校の入学式だってのに、遅刻しそうになっているのがあたし、舞原 梨乃
友達できるかなー?って不安になって寝付けず結局寝たのは太陽が昇り始めた頃…
そして今に至る。

チラッと腕時計を見るとなんと入学式が始まる10分前!?
い、急げば間に合う…はずっ!!
あたしはさっきよりもスピードを上げて学校へと向かった。

キーンコーンカーンコーン♪

「ぜぇっ、ぜぇっ!ま、間に合ったぁ…」

始まる5分前の予鈴とともに教室に滑り込んだ
みんなやっぱり集まってて1人だけ注目浴びたのは恥ずかしかったな、、

すみませーんと小さくなりながら席に着くと、後ろの子がクスクスと笑いながら話しかけてきてくれた。

「大丈夫?遅刻しそうになるなんて災難だね〜」

あ、可愛い子だな…
なんかふわふわしてる…

「緊張して寝坊しちゃったんだよね…笑」
「そんなこと本当にあるんだ!笑 あたし、柳沢香奈!よろしくね」
「うん、あたしは舞原 梨乃‼︎よろしくね」

遅刻しそうになったのは災難だったけど早速友達ができてラッキーかも?

入学式を終えて、担任の先生から連絡事項を聞かされる。
なんでも、部活に入る気が無くても部活動見学を必ずしろ、とのこと…
どーしよ、入ろうかすら決めてないからなぁ…

「ねねね、梨乃は部活入るの?」
「んー、それすらも決まってない」
「じゃあさ!一緒に野球部のマネージャーやらない!?」
「…野球部??」
「うん!あたしの幼なじみが入ってるんだ!ここの高校結構強いみたいで…」
「?なんか顔赤くない?」
「え!?そんなことないよ!?それより!やんない!?」

んー。正直部活ってめんどくさそーだしなぁ…それに野球部は怖いイメージしかないし

「迷ってるならさ!見学だけでも一緒に行こーよ!!」

という香奈の一言であたし達は野球部を見学することに…

「よろしくお願いしまーす!!!」

早速見学に来た放課後
ズラリと綺麗に整列した部員達がこちらに礼をする
なんか、こんなに人数いるとやっぱり迫力あるなぁ…

「結構いっぱいいるんだね」
「う、うん!」
「どーかした?そんな動揺して…」
「いや、なんでも…」
「香奈?」

あたし達がこそこそと話してるところに少し低めの声が香奈を呼んだ。

「あっ、しゅ…俊介!////」
「なんでお前ここに?つか、野球部入んの?」
「ま、マネージャー…やろうと、思って…」

…んんん?
もしかして香奈が野球部に入りたい理由って…この人?

改めてその俊介と呼ばれた人を見てみる。
少し焼けた褐色の肌に高めの身長…顔は整ってて可愛い系な感じ?
なんか犬っぽい?意外だな…香奈こういう人が好きなんだ…
…てかずっと顔赤くしてるし、恋する乙女か…可愛いなぁ…。

「マジか!あ、でもお前料理はすんなよ?」
「ちょ!ひどい!!!あたしだってやればできるんだからね!?」
「どーだか…レモンの蜂蜜漬けすらできないお前がどー頑張るんだよ?笑」
「うぅっ…‼︎り、梨乃に教えてもらうの!!」
「…へ」

なんでここであたしの名前だすわけ!?
イチャイチャモードの時にさ!

「キミも野球部入るの?」
「え、いや…まだ考え中です…」
「ふーん?まぁ今日は楽しんで見ていって?じゃーな、香奈!」
「あ、うん!頑張ってね!」

俊介くんはそのまま走ってみんなが集まっている場所に戻って素振りを始めた。

その後もみんなの練習を見ていくと…

「すごい…なぁ」
「梨乃?」
「あんなに手にマメ作って痛いはずなのに…誰1人弱音吐いてない…」
「野球って1人で3回戦うからね…精神も鍛えられるよ」
「香奈…」
「ん?」
「あたし、野球部入りたい…‼︎それで、頑張ってるみんなをサポートしたい!」
「…梨乃ならそう言ってくれると思った!じゃあ、入部届け出しに行こっか♪」
「うん!」

ここからあたしの人生、運命、世界が全て…180度ひっくり返る。