「……もうないと思う。こうして来れたし」
2回目起きてからも少しだるさが残っていたけど、それでもここまで歩いてきて椎原君に会えたらいつの間にか消えてた。
だから熱だってきっと……。
「測ってないんでしょ。4番さんって自分に無頓着なことあるんだね。もうちょっとじぶんのこと大事にしてあげないと。
分かった?」
「……分かった」
なんでバレたんだろう。返事するのが遅かったから?
口に出してないのに断言されてしまうとなんだか心を読まれているのかと思ってしまう。
たしか初めて会った時もそんなことがあった気がする。
それともわたしの顔に全部出ているのかな……。
自分はキャプテンだし、自分の感情でチームを左右しないようにあの試合の時まで必死に心がけてきたんだけどな。