あの日、キミが流した涙の先へ




見慣れた左右に並ぶ住宅街。ここをまっすぐ行くと自分の家に着く。



わたしは家に着くまでもう何も話さなかった。



聞きたかったことは聞けたからそれでいい。



あとはちゃんと椎原くんにお礼を言えれば。



貸してもらったブレザーを片方ずつ脱ぎながら2つに折る。



本当は乾かして返すべきなのかもしれないけど、持ち帰ってしまったら衣替えがまだ来てないから明日椎原くんは生徒指導の先生に怒られてしまう。



「4番さんの家この辺?」



「うん、ここだよ」



わたしは自分の家の前に着くと、ずっと歩いてきた足をゆっくり止めた。



そしてガレージに車が2台ともないのを見て安心した。



良かった、まだお母さんもお父さんも帰ってきていない。