「言いなりってあなたがやりたいって言ったからやってるんじゃない!」
「………っ」
「答えなさいよ
その後、わたしはもうバスケのものを投げつけられても、決して反抗をせずに耐えていた。
再び掴みかかってきたお母さんにも涙は流しても何も言わなかった。
「ここで辞めたら一生後悔するのよ!なんで分からないのよ!
いつから未希は私たちの言うことが聞けなくなったのよ!」
部屋の中はお母さんとわたしの泣き声だけ。
わたしの周りにはバスケに使っていたものが無造作に投げ捨てられている。
しばらくするとドアの前で仁王立ちして見ていたお父さんが今まで一度も聞いたことのない低い声で言った。
「……未希、お前はもう二度とバスケをしなくていい、二度とするな。
お前に期待していた俺たちがずっと馬鹿だった。
お前はもう俺と母さんの娘ではない、好きにしなさい」
お父さんはそう告げると、わたしの顔を見ることなく部屋を出て行った。
お母さんもお父さんの言葉を聞くと、「……もういいわ、未希なんて」と言ってわたしを離して部屋のドアを閉めて出て行った。
バタンと音を立てて閉まるドアがバスケに二度と戻れないことを突きつけられたようだった。


