あの日、キミが流した涙の先へ




わたしは目の前を流れる川をじっと見つめた。



見た目的には同じ高校生に見えるけれど知らない人だし、反応しなければそのうちどこかへ行ってしまうと思って何も口にはしなかった。



「そっか、じゃあ俺も川を眺めたい気分だから」



『そっか』ってわたしは何も言ってないのに。



横目でそっと知らない男の子を見ながらこの人、絶対に変だと思った。



なんでわたしのこと何も知らないのに隣に座ったんだろう。



暇つぶし?



もしかしてこんな格好して縮こまっていたわたしを笑いに来たの?バカにしに来たの?



初めて会った人だからか悪い方にしか考えられない。



励ましに来たとか良い方向のことなんて1つも浮かんでこない。