あの日、キミが流した涙の先へ




4番さん?確かに、わたしは4番のユニフォームを着てるけど…いったいそんな呼び方する人は誰?



わたしはゆっくり覆っていた顔を上げて、そして声がした方向へ振り向いた。



誰?



……知らない人だ。



カジュアルな服装に少し高めな背丈、太陽に照らされて少し茶色がかった髪、わたしの顔をそっと覗き込む柔らかな顔つき。



手には2つに折り畳んだ一枚の紙を持っていた。



このわたしのマイナスを放つ空気も読まずに踏み込んできたのはいったい誰。



他の人と同じようにそっと知らないふりをしてくれたら良かったのに。



「こんなところで何してるの?もしかして休憩?」



「…………」