「やだ……………!」

あたしが叫び声をあげた、その時だった。

「いい加減に、してくれませんか?」

そう言って後ろから現れたのは…

「じ、仁人っ…………!?」

ここまで冷たい仁人の顔は見たことがない。

「テメェ、どこから…!」

東雲の腕が緩んだ瞬間、あたしはすぐさま

腕を解き蹴りを入れた。

「ウッ…………」

仁人はあたしの腕を掴んで言った。

「今です!!!行きますよ!!!」

「え…!?でもみんなが…!」

あたしは東雲組と戦っているみんなの方へ

振り返る。

「桜良さん!うちらに任せてください!」

奈津は笑顔でガッツポーズを見せる。

「みんな、ありがとう…!」

あたしは仁人に引っ張られるまま外へ逃げた。