「っ…!仁人…!」

仁人の頬には、殴られたような痕が。

「桜良さん!ダメです…!」

仁人はあたしを見つけるとすぐに大声で叫ぶ。

「なにっ…いってんのよ…そんな顔して…」

『ヤンキー』という立場にいる自分を

ここまで憎んだことはない。

あたしが仁人に近づかなければ、

恋をしなければ、仁人が怖い思いを

することも怪我をすることもなかったのに。

あたしのせいで仁人がー………。

今までごめんね。仁人。

あたし、覚悟を決めるよ。

「東雲組に入ります。」

あたしは、真っ直ぐと東雲泰介の方を向いて

強く、告げた。