次の日の朝。あたしはいつも通り

家を出て学校へ向かった。

「あっ…!桜良さん!おはようございます!

昨日…どうかしました?」

奈津が近寄ってくる。

「ううん。なんもない。」

「なんもないわけないっすよ!

手、アザだらけじゃないっすか…!」

うっ。やっぱり、隠せないか。

100人近くの人を殴ったりしたから

手には多数のアザが残った。

いつもは多くても30人くらいだから

ここまでひどくアザになったことはなかった。

「ほんとに違うから。ちょっと、

力入りすぎちゃっただけ。」

仁人のことは、なるべく口にしたくなかった。