階段を降りて門の前に立つ東雲泰介の

前にあたしは堂々と立った。

「…………要件は何よ。」

あたしは睨んで言い放つ。

「相変わらずこえーな。さすがだよ。」

「は?何を言いに来たわけ?」

「俺は、お前が欲しいんだ。」

「…………はぁ?」

信じられない。何この人。

「東雲組に、来ないか?」

頭に血が上りそうになった。

「っ…、ふざけないで!行くわけないでしょ。

要件はそれだけ?はやく帰って。

あんたの顔も見たくなんてないわよ。」

あたしは踵を返して階段に登ろうとする。

「本当に、来ないんだな?

後悔しても知らねーぞ?」

「後悔なんてするわけないでしょ。

はやく帰って。」

東雲は潔く帰って行った。

「ふっざけないでよ…後悔とか…。」

あたしは歯を食いしばってつぶやいた。

この、後悔の意味も知らずに。