どうして………。

あたしは目に涙を溜めて立ち尽くす。

「ーっ、桜良さん、後ろっ!!!」

「っ!?」

背後から東雲組のやつが殴りかかってくる。

「くっそ…!調子乗りやがって!」

あれ…!?

あたしじゃなくて、仁人に殴ろうとしてる!?

「テメーら待ちやがれ!!」

あたしは大声を出す。今までもこんな大声、

出したことがない。自分でも驚いた。

「仁人は、関係ないってさっきもいっただろ?

全員喧嘩受けてやるよ。全員まとめて

かかってこい!そのかわり、仁人に

手を出したら絶対に許さない。」

東雲は舌打ちをする。

「テメーら!大榎桜良をぶっ潰せ!」