「僕、途中まで送りますよ。心配ですから。」

うわ…これはキュンとくる。

「ありがとう。でも大丈夫。もう遅いし。

今日はありがと!おじゃましました!」

そう言ってあたしは横原家を出た。

* * *

今日は楽しかったなぁ。

こんなに毎日が楽しいの初めてかもしれない。

少し前までは喧嘩ばかりの毎日だった。

満足でもないし不満でもなかった。

ただ向こうがガン飛ばしてくるだけで

それに対応していただけだった。

もう仁人がいない日常には戻れないかも…。

あたしって、案外乙女だったんだな…。

考え事をしながら歩いていると

突然、背後から両腕を掴まれた。

「!?」