「はい、ちょっと座って待ってて。

僕、部屋から参考書取ってくるね。」

そう言って仁人はあたしを和室に招いた。

1人になって、改めてドキドキしてきた。

家は、かすかに仁人の匂いがした。

…にしても、広くて綺麗なお家…。

タバコばっか吸ってるお父さんがいる

あたしの家とは大違いだよ…。

そこへ、仁人のお母さんが入ってくる。

「今日は来てくれてありがとうね。」

そう言ってお茶を差し出してくれる。

「あ…わざわざありがとうございます。」