「あ!ちょっと、聞いてくださいよ!

コイツ、桜良さんちの門の前でずっと

ウロウロしてんすよ!ストーカーっすよ!」

大榎組のみんなは仁人を指差して言った。

「この人はストーカーとかじゃないから。

悪いけど、帰ってもらってもいい?

あたし元気だから、お見舞いとか大丈夫。」

あたしがこうやって人をかばうのは

初めてだからか、大榎組のみんなは

ぽかんとした顔をしてあたしを見ている。

「さ、桜良さんがそう言うなら…。

じゃあ、あたしらは帰りますね。」

奈津が納得しないような声で言うと、

大榎組のみんなはぞろぞろ帰って行った。