夜。外から騒音がしてあたしは目が覚めた。

そういえば奈津たちがお見舞いに来てくれる

って言ってたっけ…。

そう思って窓からすこし顔を出すと。

なんとそこには仁人を囲む大榎組の集団が。

「!?!?」

あたしは急いでその場を飛び出した。

転げ落ちそうになるくらい猛スピードで

階段を下り、外に出る。

「オマエ、桜良さんに何か用か?」

「ねーわ。こんな地味でよっわそーな男、

桜良さんが相手にするわけないだろ。」

…やっぱり。予想通りじゃん。

「ちょっと!あんたたち!何してんの!」

あたしは仁人の前に出た。

「桜良さん…!?」

仁人は目を丸くしてあたしを見上げる。