好きじゃないはずだった

下駄箱で靴を履き替えていると、背中越しに声がした


「夏葵・・・」


振り返ると、いつもの笑顔ではない顔の唯がいた


「ゆ、い?どーした?」

「ね、え、ほんとに夏葵は恭介のこと好きじゃないんだよね?ねえ、ほんとに、好きじゃないんだよね・・・」


あたしは何も言えなかった


唯が泣いていたから。



少したって唯が私の目を見てこう言った




「夏葵は、ずるいよ・・・」




「あっ、まって!ゆい!!!」




ゆ・・・い・・・




唯はあたしの隣をすり抜けて走っていってしまった




どうしていきなり・・・








もしかしてさっき頭を撫でられたところを見られてた?





いやでもよくあることだし






どっちにしろサイテーだあたし。






唯の気持ちを知ってたのに

全く気遣いができてなかった

大事な友達なのに。







「なにやってんだよ・・・」



下駄箱にしゃがみこんでつぶやいた