竜宮城に帰りたい。




しばらくお互い無言で奥へ進んでいたが、

なんとなく気まずくて、私が沈黙を破った。


「は、晴!明日、何時くらいにお祭り行く!?」


「お祭り?ああ。せやのぉ…18:00くらいかのぉ。」


「じゅ、18:00か!了解です…」


「瑞季たちも当日、ちょっとくらいは俺らと回れるやろ。」


「あ…
うん。」



そんなこと

聞いてないのに。

わざわざ知りたくもなかった。



「瑞季ちゃんは浴衣とか着るのかな…」

「浴衣?
知らんけど、毎年着とったし、今年も着るやろ。」

「そうなんだ…」

「お前は?」




晴は歩みを止め、私の方に振り返った。




「えっと…」


浴衣、おばあちゃん家にあるのかな…

分からない…。


「着てこい。」

「え…でも…」

「祐も喜ぶで。」

「な、なんで祐くん!?」


晴は黙って私の目を見る。


でも私は、晴のキラキラと濁りのない目を直視できない。



「仲ええやん、最近」

「え、そう…かな。」


それならきっと晴の家での勉強会が原因だ。

祐くんと本音の会話をしたから。


「ええやん、祐。」

「へ…?」

「お前らがうまくいきよったら、丸く収まるやろ。」











私はしばらく言葉を失っていたが、

我に返ってその場から走り出した。