竜宮城に帰りたい。




「どこがや。」


「ワガママなとことか…っいった!」



私の答えを聞くと、晴はぺしっと私の頭を叩いた。


お金持ちなところも、偉そうなところも似てる。

でも一番は…


「寂しそうなところ。」







「え…」


「晴の目って寂しそう。」


「……」


「晴にとっての…うーんと、
浦島太郎って何…?」



その瞬間、私の右手は強く引かれ、

山道の脇の木の影に連れられた。



「は、晴?
祐くんとゆかりとはぐれちゃう…」


「お前、なんで気づいたんな?」


「へ…」


「俺が寂しそうって…なんで…」


「寂しいの…?」


「……。」



晴は何も答えなかったけれど、

掴まれたままだった右手をまた引かれ、

私の体は晴の腕の中でぎゅっと抱きしめられた。



「晴…何してんの。
……瑞季ちゃんがいるじゃん。」

「……」



晴は私の頭を後ろからさらに引き寄せた。