「あの時、乙姫様は浦島太郎を恨んで玉手箱を渡したって言ってたけど、私は違うと思う。」
「ほぉ、ほんだらなんでな?」
「乙姫様は浦島太郎が好きだったんだよ。
だから、自分を忘れてほしくなくて、
玉手箱を渡した。
寂しくて、もう一度会いたくて…
開けてはいけない約束は、乙姫様のワガママだ。
自分に焦がれた結果、
玉手箱を開ければ老人になる。
誰にも愛されない老人の浦島太郎を自分だけは愛してあげられると証明するために。」
「……」
私の話を珍しく黙って聞いていた晴は、
どこかやっぱり乙姫様に似ていた。
「話なが。
なに語っちょるんや。」
「え…、語ったわけでは…。
ごめん…」
ああー、もう!
晴に対してはすぐに謝っちゃう。
「お前は浦島に似とるのぉ。」
「え…」
「信じて疑わんで、単純で結局騙されるとことか。」
「じ、じゃあ!
晴は乙姫様!」
「っはぁ!?」
「っ……」
確かに似合わないけども!
そんなに睨まなくてもいいじゃん…



