竜宮城に帰りたい。




時刻は19:30を回っていた。


「おねえちゃん、バカだなぁ」


「あはは…」

確かに。

小学生の妹にも呆れられるって、本当のバカかも。


「しょうがない。戻ろうで。」

「いやいや!いいって。
祐くんは帰って。これくらい一人で行けるよ…。」

「もうほとんど真っ暗やろ…。」

「大丈夫だよ…」


遠慮をやめない私に、祐くんは諦めたようにため息をついた。


「わかった。気ぃつけてのぉ。」

「うん。ごめんね、ありがとう。
あ、ゆかりのことお願いします。」


祐くんは少しひきつった笑顔を浮かべると、
ゆかりと並んでまた帰り道を走って行った。



「よし!」


また来た道を戻るのは結構大変だけど、
携帯忘れた私が悪いんだから仕方ない。




夜になって、だいぶ涼しさが増した。


鈴虫やコオロギが鳴く畑を両脇に、
私はまた海へ続く道を進んだ。