「澪ちゃん、大丈夫?」
「え……あ、私…台詞!
ごめんなさい!!」
みんなに向かって深々と頭を下げる。
最低だ…。こんなの…。
おじいさん浦島役の男子が上裸でパフォーマンスをして、
観客が大爆笑している声が聞こえる。
「は?何言ってんだよ。」
ズキッ…
そりゃそうだ。
あんなに自信をもって立候補したくせに…こんな…
「浦川はなんも謝ることないだろ!」
「え?」
顔をあげると、クラスのみんなは満面の笑顔だった。
「そうだよ。澪ちゃん以外こんなにちゃんと浦島太郎できる人いなかったよ!」
「本当にありがとう!」
「そんな…私、最後…」
「ああ、あのちょっと固まってたやつ?
へーきへーき!あれくらい!」
そっか、私の声、みんなに聞こえてなかったんだ…
「それより、ほら。
皆で前出るよ!澪ちゃんセンターなんだから!」
クラスメイトに背中を押され、
再び舞台に出た。
そこには、割れんばかりの拍手喝采。
最初の私に向けられていた疑うような視線はもうどこにもなかった。



