始業式以来、用事がないときは基本的に早月の練習を見て帰る毎日を送った。


やっぱりなんかこの劇を見ていると、

あの町を思い出せる。


私ってなんだかなぁ。


東京に帰ってきてから、

ほとんど毎日晴たちのことを思い出してる。



なんだか楽しかった思い出に浸ってばかりで、

本当に私は変われてるのかな…。



特にクラスで目立つようになった訳じゃない。

小道具のみんなを仕切るとかもしていない。



成長したことと言えば、

空想力と、劇の台詞を覚えてしまったことぐらい。




「"さぁ。宴の時間よ。"」


乙姫様の一声で、クラスの魚役の人たちがバカみたいに踊る。



早月は演技なのか本心なのか、

楽しそうに笑っていた。