！？
痴夜ちゃん！？
どうして進んでるの？
ゲームじゃないんだよ！？
現実なんだよ！？
あぁ、ダメだ、足が動かない。
怖いのかな？
嫌だ、消えちゃう、痴夜ちゃんがっ！
居なくなるなんてっ、
ダメなのにっ！！
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ！！
♡♥
八夜、脅えてる。珍しい。まわりの客も驚いてるみたいだ。まぁ、無理もないか。中学生が銃とハンマーを所持している男に、歩いて近付いているんだ。驚くだろう。普通。

・・・なぜだ？なぜあの少女は近づいてくるんだ。よし、ハンマーを振り上げよう。そしてガラスを割るのだ。フッ、ハハハハハハハハッ！！ヒヒッ、グヒヒッ！

あぁ馬鹿馬鹿しい。男も馬鹿だ。ハンマーを振り上げても意味は無いのに。どうせ落とせない。何故なら、振り落とせば、必ず誰かが犠牲になる。普通の人間なら、鼓動の速さが加速して振り落とすどころか体中が震えハンマーを落とすだろう。普通の人間なら、だ。

こいつの心情はどうなっているんだ！？何故近づく！意味がわからない！あぁ、あぁ、振り落とそう！正義の剣を！素晴らしいこの場に！ハハハハッ！！

もう時間が無い。走ろう。そして壊すのだ。窓を。・・・ー男の精神をー
ーまるごと。ー

BAReeeeeeeeeeN!!!

ガラスの割れる音。飛び散る破片。バラが散るようにひらひらと。華麗に。美しく。

！？どういうことだ？少女だろう！？たかが少女がガラスを飛び蹴りで割ったんだぞ！？有り得ないだろう！そうだ、有り得ないのだ。

そう、普通の少女は厚さ2cmの窓を飛び蹴りで割るなんて不可能。のはずだ。と思うだろう。残念。私は普通ではない。だから出来る。私ならできる。