「うんうん夏だねー。暑いねー熱々だねー。いろんな意味でクソ熱いねー。」

平日。昼。公園。木の上。

「カップルばかり通り過ぎる・・・
なんで普通の人おらんの。」
カチッ

「1日に公園に何人来るのか数えてたけど、
もう飽きたしいいや。」

「・・・ボクはおかしくない。」

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〔今日は痴夜ちゃんと遊園地に行く日!
楽しめるかなぁ!
だれかと遊園地行くの久し振りだから、わくわくしち ゃう! 〕

「よし、行こう!」
ガチャ
バタム
ガチャガチャ
とたとたとた
とんとん
「・・・珍しい。八夜にしては来るの早いね。」

「え?そうかなー。八夜てれちゃうよー。」

「だって今夜中の2時だし。」

「ん?」

「いやだから、今深夜2時。
それで遊園地に行く約束した時間が午後2時。」

え、え、え?

え?
2時?
いや今も2時・・・

どっち!?八夜おかしかったの!?

「・・・まあいいや。泊まっていきなよ。」

「え?う、うん・・・」

「・・・母さん!八夜来たから、止まらせてもいい!?」

「え!?痴夜、八夜ちゃん来たの!?早いわねぇ。
いいわよ!それと、もう深夜なんだから、早く寝なさ いよ!!」


「・・・なんかごめんね、痴夜ちゃん。
八夜、迷惑かけちゃった・・・」

「別に、迷惑じゃないよ。
布団敷いといたから、もう寝よ。」

「う、うん!!」

「おやすみー。」

「おやしゅみなs」
すやすや

「・・・はや。」



奇奇奇奇奇奇奇奇奇奇
「・・・はー。
もうそろそろかえりますかね。」
「そういえば、最近変な電話が
東真中学生徒にかかっているようですねぇ♡」
「怖い、怖いわー。
ボクも生徒だし怖いわー。」

少女は、いつ不審な通知が来るのかを楽しみにしていた。

理由は無いのだ。

ただただ暇なだけだったのだ。

SNSでかなり有名な少女。

オタクであり、漫画家でもあり、とある動画サイトでいろいろやっていることから、

『天才であり秀才、そして馬鹿である』

ということでかなり有名になっている。

「ふー。締切というものは待ってくれないのかねぇ・・・」

「そういえば、妄海ちゃんちゃんが
イジメの的になるとかいうメール来てましたなぁ・ ・・」

「・・・かわいそうに。
恐怖症とかにならなければ良いのだが・・・」

「ふぁー、もう帰って寝ましょね寝ましょ。」

彼女の名は
奇音 満月(キオン マゲツ)

右目がハート、左目が星、短いツインテール。

その特徴的な見た目なことから、
何処にいても目立ってしまうため、
深夜にしか外に出ない。
行く先は決まって近くにある公園。
公園の周りにあるのは木木木木木。
気しかないので大声で歌っても大丈夫。
誰もいないから好き放題。
とても良いところ。
誰も邪魔しない。
だからボクはこの公園でほぼ毎日深夜を過ごしてる。
朝と昼はマンガ。暇な時は課題か動画。
結構疲れそうな予定。
でも、慣れた。
慣れたというより、楽しんでる。
好きなことは出来てる。
だから大丈夫。

「かーえろかーえろ。おーうーちーにかーえーろ。」

とんとんとん

ガチャ

「たっだいまー!!」

バタン

誰もいない家。親は二人とも不倫。
でもそんなに寂しくはない。
だって
この子達(人形達)が
ボクにはいるから。