メイド2「妄海様、こちらのドレスはいかがでしょうか?」


メイド2「一度試着なさいますか?お気に召さないようでしたらお取替えいたします。」

「・・・大丈夫です。それにします。」

メイド2「では、そちらの更衣室で着替えて下さい。鍵付きロッカーがありますので、今着ているお洋服をロッカーに入れたら、鍵を閉めてくださいね。あ、それと、くれぐれもパーティー中に鍵を落とさないでください。勝手に開けられても困りますからね」にこ

「・・・御丁寧に説明ありがとう」イライラ

ガチャ
バタン

「ここでいいか。」

ー数10分後ー

「痴夜ちゃん遅いなぁ・・・。それにこのヒールの靴、動きづらいよ。」しょぼん

ガチャ パタン
「・・・八夜お待たせ・・・」

「あ、痴夜ちゃん!!わぁ!!似合ってるよ!!」にこっ

「・・・八夜も似合ってるよ。」

「え、ほんとに!?ありがと!!」にこにこ

「・・・あと声デカイ。ヒール大丈夫?ヒールないやつあったから、そっち履いてきたけど・・・」

「え、あったの!?どこどこ!!八夜靴変える!!」

「・・・着いてきて。案内する。」

とたとた

「ここ。」

「あ、ほんとだー!!痴夜ちゃん、教えてくれてありがと!!」

靴履き替えた。

「うん、八夜こっちの方が動きやすいよ!!」

「・・・あとさ、前から思ってたんだけど、自分のこと八夜って言うの、子供っぽいしやめた方がいいんじゃない?」

「あら、そうかしら。わたくしは河崎さんの素敵な特徴だと思うわ。」カツカツ

「・・・リーダー格女…」

「あ、痴夜ちゃん虐めてたやつだー!!」デカイ声

「はあ!?言いがかりはやめてくださるかしら!!とてもはしたないわよ!!」

「八夜、私は虐められてない。多分だけど。」

「それと!妄海さん!わたくしはリーダー格女ではなく、列記とした名前がありましてよ!!しっかりと覚えていただかなくては困りますわ!」

「もう忘れた。」イライラ

「はあ!?ふざけるのもいいかげんにし」

ガン!!

「え?」
何の音ですの!?

「だから、五月蝿いんだよ、リーダー格女。八夜もだけど、あんたがいるから余計に五月蝿い・・・」

ガン!!という音は、どうやら発泡音らしい

「た、弾?なぜここに・・・」

メイド1「お嬢様!!今発泡音がしましたが、なにかありました・・・か?」

「・・・動くな・・・」ギラッ

「痴夜ちゃん、銃は危ないよ、しまいなよ・・・。周りの人もびっくりしてるし・・・」チラリ

メイド1「妄海様でしたか・・・。銃は私が預かります。下手に撃たれても困りますので。」銃をとる

「・・・帰るときに返してくださいね」

メイド1「えぇ、もちろん。」にこっ

「・・・」
嘘っぽい顔・・・



夜。
日は沈み月明かりが外を照らす時間帯。
大体のクラスメイトが集まったらしい。

「皆様!今日はこのパーティーによくぞいらっしゃいましたわね!!どうぞ楽しんで行って下さいませ!」

スポットライトの真下で喋る少女の言葉に耳を傾ける生徒。

「それでは、乾杯。」

カチン
カコン
グラスの当たる音。近くの生徒とグラスを当てるという行動に特に意味は無いだろう。

「痴夜ちゃん!ジュースおいしいね!!」

「そう?甘過ぎだと思うけど・・・」
出してもらったものだし、全部飲むか・・・

「えー、そうかなー。八夜は丁度いいと思うよ?」しょぼん

「・・・良かったね」ぼそぼそ

「え?何か言った!?聞こえなかった!」

大勢というわけでもないが、パーティーホールという名のかなり広い会場で行っている為、声が良く響く。

オペラでもやれば綺麗な歌声が会場を包み込むだろう。

「それにしても、デカイ家だよね・・・」

「そうだねー。なんか、映画とかに出てくる感じの!!」

「それね。洋風の映画とかに使われそう。」


そのまま時間は過ぎていった。

何事も無いままパーティーは閉幕。

「・・・メイドさん、返してもらえます?」

メイド1「ああ、あれですね。はい、どうぞ。」

「・・・ありがとうございます」ニコッ

メイド1「いえいえ。気を付けてお帰り下さい」

「八夜、帰ろう。」

「うん!!」