ザワザワ
ザワザワ


「河崎さん、大丈夫だった?カフェの事件」

「そーそー、河崎さん、巻き込まれたんでしょ?」

「しかも、銃を耳に当てられたらしいわ!」

「「なにそれ!」」

八夜のまわりに人がいっぱい集まってくる。
カフェでのこと、いっぱい聞いてくる。
どうすればいいかわからないよ、痴夜ちゃん。



同時刻:屋上

「真衣〜、河崎さん、真衣より目立ってるけど、いいの?」

「何言ってるの?愛梨朱ちゃん、私は目立ちたくなんてないよ?」

「ウソつけ〜、痴夜と仲良かったとき、結構目立ってて楽しそーだったよぉ?」

「もう、愛梨朱ちゃんうるさい!」
ドタドタと階段を駆け下りる

「えぇ?真衣待ってよぉ」



「あ、そうだった、真衣、知ってる?今、痴夜が監禁されてるらしいよ!」

「え?なにそれ・・・」

「あ、知らなかったぁ?」

「知ってるもなにも、そんな情報どこで・・・」

「だってぇ、私いろいろ詳しいしぃ。」

「・・・痴夜ちゃん戻って来る?」

「無理かなぁ。結構難しいから。」
髪の毛をイジリながら楽しそうに話してる

「なんで?痴夜ちゃんは河崎さん達を助けようとしただけなんでしょ?なのになんで・・・」

「なんでだろーね♪」

「笑わないでよ!!」

「!!」
ビクッ

「痴夜ちゃんは、痴夜ちゃんは・・・痴夜ちゃんは監禁されていても、絶対に戻って来るよ!!」

「そうかなぁ?もしかしたら、あの場所で監禁されたまま終わっちゃうかもよぉ?」

「〜〜っ!!」
(返す言葉が無いよ・・・)

カンッ

「「!?」」

屋上の鉄格子に誰かが乗った音。

カツンと足音を鳴らし、鉄格子から降りた。

降りたのは男性。男性はフード付きのコートを羽織った人。




そして、男性が抱えていた少女は



「・・・痴夜、ちゃん?」

「な、なんで・・・痴夜は戻ってこれないはずなのにっ!」

『じゃ、おふたりさんさよなら〜☆』
とたたっ
ザッ

男性が飛び降りた

屋上から

「え?」
思わず鉄格子に手を掛け下を見下ろした

だが誰もいない

「意味がわからない・・・」