目が覚めると
見知らぬ場所に居た
私は椅子に座っていた
真っ白な部屋
他の色が一切無い


どうやら私は眠っていたらしい。
私は、睡眠薬でも刺されたのだろうか
当たった記憶はない。
謎だ。

予想だが、この後取り調べでもされるのだろう。あれ程警察に暴行し、銃を持っている男を倒したのだ。おまけにカフェのガラスを割った。弁償に何万か要求されるのだろう。
それは構わないが、八夜が心配だ。早くこの部屋から出なくては。だがどういうことだ。出入口がない。今はそっちを考えよう。

椅子の下に仕掛けがあるとか?
それともなんだ
壁?壁に何かあるのか?
意味がわからん
それとも天井か?
届かねぇだろ
・・・。お前、いい加減にしろ。
なにが?
取り憑かれてからもうなんやかんや数年経ってる。
あー、そーだっけ?覚えてねぇわw
・・・・・・・・・・・・・・・・・
あーあーはいはい手伝いますよ。それでいいだろもう。

それでいい。私に取り憑いているんだ。それくらいはしてもらわなくては困る。第一、そのせいで私の性格は変わったんだからな。責任くらい取れ。
えー、お前が勝手に壊れたんだろ
五月蝿い。お前が悪い。
(´-ι_-`)はぃはぃ。

そうだ。私は、小学生の頃に事故にあった。病院のベットの上、寝ていた私の意識の中に、一つの声がかかった。

『生きたいか?』





それは実に心地悪い。なのに何故か落ち着く。意味がわからなくなった私はすぐ目を覚ましたかった。でも〖そいつ〗がそれを強制的に止めていた。私が答えるまで起きることを止める。そう言っていた。恐かった。声しか聴こえない。真っ暗な世界で私が1人のはずだったのに、〖そいつ〗が割り込んできた。
私が掛けていた【鍵】が無理やり壊された。〖そいつ〗のせいで。
【鍵】を掛けていたからからこそ、私の精神が治るのを私はずっと1人で安静にして待っていたのに。
それを邪魔したのだ。
仕方が無いし、怖くて、頭も働いていなかった。だから、承知してしまった。そいつは悪魔でもあり、幽霊でもあると言う。
『俺はお前に取り憑いた』
『なにかあったら助けてやろう』

そして、あとは精神が治ってから目覚めた。久し振りに見た黒以外の色。色とりどりの世界。新鮮だった。だからなのか、目から涙が溢れ出した。その直後に八夜が息を切らしながら来た。安心していた。とても嬉しそうだった。


だから私も、嬉しかった。