「待て!俺は…」 私を見て言おうとしたとき、 「高居さん、診察室へどうぞ」 スライドドアが開いて、看護師さんに中に呼ばれた。 「…えっと、私、帰った方が…??」 「いいから!来い!けぼっ」 ズキズキと痛む胸を押さえて、雫と言った女性を気にしながら、手を引かれて中に一緒に入った。 目を細め、じっとりとした彼女の視線が刺さった。 ―――苦しい。 どうすればいいんだろう。