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翌朝。
やはり熱が出た先生に付き添って、念のために病院に行った。
待ち合いで椅子に腰掛けて診察を待つ。


「………悪いな」


何となくうな垂れる。
マスクをして少し虚ろな雰囲気でも妙に色っぽい。


思わず見惚れそうになって目を逸らす。


と、


「先生??高居先生ですよね??」


反対側から声を掛けられそちらを見る。


私と同じ体型で、雰囲気もそっくりな、けれど私より可愛らしい20代くらいの女の子が、先生に話し掛け、いや何なら小首をかしげて覗き込もうとしている。


なんとも可愛らしい仕草だ。
一瞬、胸がちくりとした。


「…どちら様??」


「………??…えっと、…ああ、きみは」


「元カノの縹雫(ハナダシズク)といいます。新しい彼女さん??」


なんだこの、妙に勝ち誇った感じは。


「…げほっ、ただの元バイトだ。元患者でもあるがな」


辛そうに。けれど一応言い訳しようとする。