ふと、目が覚めるとベッドの中にいた。


―――明け方。


先生の自宅を一部改装して、寝室は低めのダブルベッドを置いた和室。


高居先生が、私を抱き枕にして上半身裸で絡み付くようにすやすやと寝息を立てている。


引き締まった胸板が、格好いい。


―――ああ、何ヶ月ぶりだろう。久々に悪い夢を見てしまった。これで何度目だろう。


後悔が見させているのだろうか???


先生の手の傷は、日常生活に支障ないとはいえ、もう整体師としては使えない。


だからって、知りませんと見捨てるなんてできないし。


結局弱味を握られてしまった。
彼の人生を。責任を。


「……なんだ、起きたのか??」


妙に色っぽい。寝ぼけ眼な眼差しで見詰められて、ドキッとする。