そして翌日。


逃げても隠れても無駄だと諦めた私は、神社の用意された部屋で、白無垢姿で腰掛けていた。


「まあ!!とってもきれいよ果奈!!豚に真珠」


お母さんが入ってきて礼服の着物姿でまた涙ぐむ。


緊張もあってひきつる。


「……そこはせめて、馬子にも衣装でしょ」


と、ひとりの男の子が廊下に面した障子の隙間からひょこっと顔を覗かせる。


誰だろう。
知らない顔だ。


目鼻立ちのはっきりした、10歳くらいの男の子。


栗色の、サラサラヘアで色白で、モデルでもやっていそうだ。


制服らしいブレザーを着ている。


「あら、袖(シュウ)くん」


「えっ!?誰??」


反応するお母さんに。