「他にもおうちの方に諸々の結納品を納めさせて頂きました。明日そこの神社で神前式を挙げますよ。果奈さん」


「あす、あす!!???」


一方的だ。
あまりにも。


「無茶言わないでください!!」


「何が無茶なもんですか。善は急げという言葉をご存知ないですか??」


「全然、善じゃないしっ!!」


「面白い冗談ですが、もう断る権利はありませんよ」


「冗談じゃないですってば!!」


けれど、その場を逃げようとする私の腕を掴むと、腰に手を当て抱き寄せられる。


「もう逃がさねえ」


耳元で囁く。


―――ああっ!!
力が抜けていく。そこは弱いらしい。そして皮肉なことに、そのことも分かった上でしているらしい。


くうう!!
顔だけはタイプなんだよな………