「………うん」


―――また、雨が降りだした。


小さなベッドに2人で腰掛ける。


「俺、ほんとに好きです。果奈さん」


「……ありがとう」


言いながら、不思議な感覚に襲われていた。


何だろう。


「………私も……」


結ばれそうになったとき。


―――――涙が頬を伝った。


「………果奈さん…??」


「えっ……??………あれ??―――なんで……私」


ドキドキも、キュンも。


どこかに忘れてきてしまったかのように。


ぼんやりとして、涙しか出ていなかった。


「………………ごめん、ごめんね??」


背中を向けたまま、何度も謝っていた。


背中から、黙って抱き締めてくれた布勢くん。


私は酷い人間だ。
最低な女だ。