ひとまず先生と私は救急車に乗り、未菜は布勢くんが付き添って警察に行った。


「僕も果奈さんと行きます!!」


納得いかない様子の布勢くんに、


「とりあえず、いてあげて」


と説得した。
なんとなく。
一緒にいるのが辛かった。


「本当は私が刺してやりたかったけどね。そんな勇気も度胸もないし、理性が止めてくれたみたいね残念だけど、まだ若い彼女は理性が負けてしまったようだけど」


呟くように言って見送った加南子。


「いつかこんなことになるんじゃないかとは思ってたわ」


「行かなくてよかったんですか??」


運転していた住人の男、井草が、加南子の肩に手を添えて。


「いいのよ。たまたま、居合わせただけだから。明日、役所に出してくるわ。それより接待の方、任せたわよ」


「はい、社長」