エレベーターで1階に降りて私が先に玄関を出る。


置きっぱなしになっていた軽トラックの脇に停めて待っていたらしい軽自動車から、布勢くんが飛び出してきた。


「果奈さん!!何してたんですか!?心配してたんですよ!?」


「あっ、ごめん!!あれ??でもどうして…」


「休みだったから携帯にメールしたんですけど返事来ないし、店に行ったら配達に出たきり帰らないって!!」


泣きそうな顔で、


「配達先聞いたらここだって、来てみたら携帯置きっぱでいないし。オートロックで入れないし、いつまで待っても帰ってこないし」


言って、抱き締められた。
車の暖房が点いていたはずなのに、


落ち着いていられなかったのか、すっかり冷えて冷たくなっていた。


「……ごめんね??そんなに心配させてたなんて」


後ろから来た先生がムッとする。


「…いちゃついてんじゃねえ」


「あんた!!何してたんだよ!?果奈さんに変なことしてないだろうな!?」


「あっ、雨降ったから、ほら、雨宿りさせてもらってたの!!ですよね!?」