今言うべきかどうか、言ってどうなるのかわからなかったけど。


「……それがどうした」


「え"っ!?」


そ、そう来ましたか。


「知ってるよ、けど俺は気になるみたいだな。―――昔から。意地悪したくてうずうずする」


耳元に息が掛かる。


「意地悪するのは気になるからじゃなくて、単純にキライだからじゃないんですか!?とにかく邪魔しないでくれませんか??」


訳がわからない。


「…私は嫌いなんですから」


―――あれ???


なんだこの感覚は。
真逆のことを言ってる気がしてきたぞ。


いやいや、騙されるな私。
こいつは悪魔だ。


「ダメだ。……あんなガキに渡さねえ。ああムカつく。イチャイチャしやがって」


もどかしげに、わしわしと髪を掻く。滴が落ちる。


―――あ、
またいい匂いだ。