「当分やみそうもない。天気予報通りだな」


「知ってて来させたんですか!?」


「決まってんだろ、おおかた予定通りだ」


やっぱり悪魔だ。
鬼畜だ。


「傘借りていいですか!?いや、濡れても良いんで帰っていいですか!?」


今さらだ。
どの道濡れてるし。


「帰さねえって言っただろ。冗談なんかじゃねえからな」


言うと、部屋の入り口付近で出ようと背中を向けていた私に、後ろから壁ドンされた。


「どいてください!!もう帰ります!!」


「商品はどうするんだ??」


「…………う」


土砂降りの中、自転車を置いて帰るわけにも、車ごと置いて帰るわけにもいかない。


「………嫌いなんですけど」