「これと、外の展示の26インチを業務用に3台、ください」


言って示したのは、一番高いロードバイクとよくある展示のお手頃なものだ。


「果奈さん指名で、配達よろしく」


「ええっ!?嫌です…」


「何か問題でも」


じろりと睨まれる。


「まあそう言わずに、お願いしますよ、椰原さん」


店長に拝まれる。
あからさまに上客神様扱いが狙いだ。


「………う」


泣きそうな顔で布勢くんを見る。


「僕も手伝います」


「アンタは支店だろ??関係ねえ」


ふふんと嘲る。
いきなり言葉が荒くなった。


「明日、この住所に宜しく」


一通り手続きを済ませ、キャッシュで支払うと、さらりと爽やかに立ち去った。


「カッコいい…果奈さんにはもったいない」


菜々子さんの目がすっかりハートになっている。


うぬぬ。
何を企んでる。