うん、と言わざるを得ない空気だ。
それでも、思い通りになんかなるもんか、と。


「…い、いやです」


けれど。
ふっ、と不敵な笑みを浮かべる。


「構いませんよ。付きまとうだけですから。一生ね」


「……初めからそのつもりなんでしょう??」


むうう。


「山より高いプライドと海より深い愛で、誰より守って見せますよ」


「…それでも大地より踏ん張って抗って見せます」


うう。
顔だけは。好みなんだよな、やっぱり。


愛おしそうな、とろけそうな目で見つめられる。


「愛しています。神に、いや、ここにいる皆さんに誓います」


ああっ。
悲しいかな。
もう無理だと。


心の片隅で、もう諦めなさいと誰かが言った。
誰か??いや。何者でもない。もう一人の自分だ。


今度こそ、幸せになれるのかも知れない。信じてみてもいいかも知れない。


賭けてみようか。
賭けてみてもいいのかも。


「仕事仕事」


やれやれ、と店長が手を上げ首をかしげる。





end