私も続いてここから出ようと足を踏み出したとき、なんとなく高木くんの席に目をやった。


そして、その机の上になにかが置いてあることに気付いた。



近づいてみると、それはノートだった。


普段授業で使うような普通のノートとは違い、手のひらサイズの小さめのノート。



なんだろう? なにに使うんだろう?



まあ、それより、これはおそらく忘れ物だ。


高木くんは去ったばかり。今なら急げば追いつく。



私は小さめのノートを手に取ると、あとを追い掛けようとした。



それと同時にこう思った。



中身が見たい、と。