きみと最後の1ページまで






そうこうしている間にもう明日から夏休みという日付まで進んでいた。


出された課題の多さに絶望しつつ、どうやって長いお休み期間を充実したものにするか考えながら教室を出た。


彩奈と千夏は部活だ。


こんな暑い中、よく頑張るなぁ。


昇降口から出てみれば、照り付ける太陽がうっとうしくてどこかへ追っ払いたい気分になった。




「あ……」




ふと前方を見ると、見覚えのある後ろ姿が見えた。


あれは、高木くんだ。


本日も朝に「おはよう」と言い合ってから会話はしていない。


よくよく考えれば、これから1ヶ月とちょっとの間そのやりとりもなくなる。


それは、なんだか────




「高木くん!」




────嫌だ。


そう思うと同時に、私の足は勝手に高木くんを追いかけていた。