きみと最後の1ページまで






「遥香って、高木くんのこと好きなの?」




昼休み、いつものメンバーでお弁当を食べていると、彩奈がニヤニヤしながらそんなことを言い出した。


それがあまりにも唐突すぎて、思わずぽかーんとしてしまう。




「え? なんでよ?」

「なんか、最近よく見てない? ていうか見てるよ。ね、千夏?」

「ふふ、私もそう思う」




千夏までいつもの可愛らしいくしゃっとした笑顔で彩奈に同意した。


しかし、私には身に覚えがなかった。


私が高木くんを見ている? それっていつ?


もし、ふたりの言っていることが本当だとすると、それは完全に無意識ということになる。




「いやいや、見てないよ」




無意識で目で追うなんて、本当に高木くんが好きみたいじゃないか。


確かに仲良くなれるならそうしたいところだけど、それからどうしようなんて考えてないし。


うん、そうだ、それはふたりの勘違いだ。